ダイイングメッセージ
そらの珊瑚

列に帰属する蟻
ときたま
はぐれて戻らぬ蟻もいる

白いカナヘビが忍者のように
するりと岩陰に隠れた

彼女は言った
東京は子供が住む場所じゃない もはや
20キロも200キロもおんなじなの
私はこどもたちを守りきることができない
それでも目隠しして
ここで生活していくしかないのよね
いつか目隠しを取った時
絶望と後悔が押し寄せてこようとも

列に帰属する わたしたち
はぐれられない わたしたち

干涸らびたミミズが
クエスチョンマークの形で息絶えている2012年夏



自由詩 ダイイングメッセージ Copyright そらの珊瑚 2012-08-24 10:31:59
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