きっと 見える
木の若芽

「きっと見える」
           木の若芽


見たかったものが
あんまり当り前のようにあるので
ゆっくりゆっくり歩いたり
ふとしゃがみこんだり
また遠くを見やったり

ゆったり流れる川に映るやなぎの緑が
にじんで流れそうで

大きなもんしろちょうと小さなもんしろちょう

日のさす庭をわいわいとわいてくる虫
サイダーやビールの泡のように陽気だよ

あさがおのつぼみ
ふくらめふくらめと唱えながら見つめていたら
ほんとに0.1ミリふくらんだのが見えた

さるすべりの木の花のやさしい香り
鳥はかぐことができるのかしら

見ることができないものといえば
モルフォ蝶の月下美人に遊ぶ景
誰かわたしに描いて贈ってください

いいえ、きっとみんな見える

目はいつも鼻の横についてなくてもいいよと
自由に遊ばせてやると
光る風について行く


自由詩 きっと 見える Copyright 木の若芽 2012-08-21 16:22:31
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