しとしとと泣く
桜 歩美

声を大きくして泣く頃はもう過ぎて

しとしとと降る雨のように涙はいつしか零すようになり

とめどなく響く雷鳴に

心はどんどん堕とされていき

私の笑みは消えゆく



その頃

君はもう巣立っていく

私のことをどうか振り返らずに

そのまま歩いていってください

どうか一人でそのまままっすぐに

振り返らずに歩いていってください



振り返ったら泣いている母のことを

君は置いていくことが出来ないから

だから決して振り返らずに

歩いていってください



元気でねっていうそのときだけは

頑張って笑っているから

君はもう一人で歩いていける

そのままで十分生きていける

誰からも愛される優しい心を身につけて

生きていくことが出来る



さぁそのまま

歩いていくんだよ

母はここでずっとずっと見ています

いつまでも

君の愛されるその道を

みつめ続けています



愛してるよずっとずっと

永遠に

私のもとに産まれた天使

私の宝物



ありがとう

ありがとう






自由詩 しとしとと泣く Copyright 桜 歩美 2012-08-19 17:59:15
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