するどい時計
はるな
押しだされる
水はつめたい
書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている
空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫の四角い中で
空気はもう
遠くなりすぎた
古い時計のなかには
するどい滝がねむっている
さいしょの仕掛けを動かす指をまちながら
それでも
こらえきれず
わずかに押しだされる水はつめたい
自由詩
するどい時計
Copyright
はるな
2012-08-18 23:10:35