八月十八日(省察)
綾野蒼希
汀を歩くその寄る辺を
腕(かいな)に抱きよせると
泡沫
あるいは海が こぼれだす
この束縛を難なくとびこえる
あなたの幼さが信じられない
裸足の裏側で反発をくらうだろうか
十年後そして百年後に
熟考を重ね
かすかに見えていた
はずだった
かつて二人を形成した
なつかしいにおい
遊覧船に 灯台に 幸福圏に
投擲して
ありったけの愛をときほぐしつつ
自由詩
八月十八日(省察)
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綾野蒼希
2012-08-18 11:30:14
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