こころのひかり
吉岡ペペロ

埃っぽい雑駁な田舎の街道脇に

その自動車修理工場はあった

そこには世間的にいえば不幸な人間たちが住んでいた


太陽に照らされ雨には蔭り

風には押し黙り春には綻び

夏にも押し黙りひとは行き汗を拭き

秋には解け冬には雪をかぶり

行く車は素知らぬ顔で過ぎていった

父は狂い

その自動車修理工場は主を失っていた

彼女はその2階で絵を描き

姉とは絶縁し

彼女はそこから猪苗代湖に向かったのだった

母は娘を探した

そしてさいごの旅の終わりを警察から知らされた


埃っぽい雑駁な田舎の街道脇に

その自動車修理工場はあった

そこには世間的にいえば不幸な人間たちが住んでいた







自由詩 こころのひかり Copyright 吉岡ペペロ 2012-08-16 23:56:07
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