柔らかく乾いた苔のジュータン
ぎへいじ
ここには
小さな岩の塊と 冷たい流れがある
登って岩の頭に立つ
柔らかく乾いた苔のジュータン
その邪魔な苔を無残に剥ぎ取り川に捨てた
何千年もの間 誰にも触れられた事のない世界としても僕には どうでもいい話しで
面白半分に流されていく孤高の苔を見つめる
視界から消えたそのときに気がついた
僕らはそういう出会いを繰り返して
入り込めるはずもない人の心に ふみこんで
そして 待つ
視界から消えるまで
失った良心に気がつかないまま
取り戻せない
自由詩
柔らかく乾いた苔のジュータン
Copyright
ぎへいじ
2012-08-16 22:23:04