自由な蛆虫
高原漣

夥しい死を楽しく貪る蛆虫たち

糜爛した街々を闊歩、闊歩、かっぽ、かっぽ。

右手に見えてくる男の居ない高い城 そうあれは……

高炉に偶然生まれた真空、

そのなかに、

      膣内に、
          
          胎内に、

               熱い!

やめて、デイヴ

デイヴ、やめて

お願いだから

IBMの妹はズロースを脱いだ。暑いからだ。

滴っているのは遊離した電子なのか

腐ったかぼちゃを断ち切る鋏で切るのはしかしかぼちゃでも西瓜でもなく、



自生した死という植物……



ところで

氷の国アイスエイジには冠雪した地形があるという。

全裸で転がってみたいと思いませんか

真白く肥えた蛆虫のように


自由詩 自由な蛆虫 Copyright 高原漣 2012-08-16 02:08:19
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