草遊び
木の若芽
「草遊びのうた」
木の若芽
<とうもろこし>
青年たちは青空を支える兵士に志願して並んでいる
インディアンの若き新兵たち
熱気をおびて らんらんと
うぉー うぉー がんばれ うぉー
とうもろこしたち わぉー
人の背追い越してどこまで伸びる
とうもろこし
引っこ抜いて えいや と上に突きながら回せば
威勢のいい夏のまといだ
畑で祭りやりゃ やれとこやい
<きょうちくとう>
きょうちくとうにもいろいろあれd
南米の部族の乙女とは気づかなかった
白いバックスキンのシンプルなワンピースには
小粋なフリンジをつけて
つやつやのしらさぎの羽をさして
山を尊んではくるくる
海を崇めてはくるくる
どちらの風にも舞うの
風の部族の乙女だから
<がくあじさい>
がくあじさいの飾り花のなかの
くちゅくちゅっとしたつぶつぶこそうれしけれ
よく見れば 青すばる
<あさがお>
つぼみをもったあさがおのつるのように
好きなものに そろり からみよりましょ
まんだらげもこんなつるをもっていたでしょ
<つゆくさ>
つゆくさが二重三重の衿をつけ
さいしょの衿は薄緑
半透明の玉もつけて
二番目の衿は深い青
白い裏地もきれいな透かしもよう
お顔は かんじんのお顔は
なんてあどけない赤子のような
星の瞳で口笛吹いてる
<おしろいばな>
虫がこなくても
花粉を投げ上げんと
ぴゅんと長くのび立った雄しべ
暑い日の果てにひらいた紅おしろいばなだ
なかでもなぜか一本だけことに飛び出したこの雄しべは
宇宙まで花粉を投げ上げんと
勇敢一途だ
<まだまだつづく>
おもちゃ箱だね
森も 世界も 宇宙も
色や音やいのちの
おもちゃ箱はごちゃごちゃだからこそおもちゃ箱
宝の箱もわんさかだからこそ宝の箱
心いっぱいに広げて遊んでいいんだよ