雨のち曇り時々蛙
灰泥軽茶

まだ曇り空

少し前に雨が降って地面は濡れている

綺麗に洗われた石畳の道を歩き

色艶溢れて髷結う人々が行き交いそうな

長い石段をゆっくり登っていると

小さな蛙がよこから

だんなだんなもうひといきだから

だんなだんな膝をまげて踵あげて

と言いたげに軽やかに前を跳んで

ちいさな子供がはしゃぐように

ちょいと勢いあまって

また草叢に消えた


自由詩 雨のち曇り時々蛙 Copyright 灰泥軽茶 2012-08-13 00:34:41
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