クイック・ライフ(4)
信天翁

地平線をトリミングする山はない
(従って心を潤してくれる一級河川はない)
水平線を指呼できる前庭はない
(従って体を洗ってくれる潮騒は聞こえない)

そんな転居先の片田舎だが きょうは
遠くの公園からか 草刈り機が唸っている
近くの袋小路からか 掘削機がハミングしている

そうだ そういえば いま 想いだされる
ふるさとは重々しい「やしろ」の森で
こどもごころに
意味のわからぬまま聴いた
独特なトレモロが・・・・





自由詩 クイック・ライフ(4) Copyright 信天翁 2012-08-11 19:59:00
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