言葉を洗う雨
木の若芽
「言葉を洗う雨」
木の若芽
雨よ わたしの中に降ってきて
雨音で雨を詩えるように
この雨は言葉をみがき洗う雨
雨が土に降る音で 雨が土を歌ってる
雨が木に降る音で 雨が木を歌ってる
屋根に降る音 道に降る音…
わたしに降って その音で雨よ わたしを歌ってください
それに和してわたしも雨を詩います
***
昨日でだんだん時間がゆっくりになった
今日は静かな静かな日になる
すべて雨に包まれて
雨に包まれた世界を心で包んでみよう
***
ぬれる草をじっと見ていたい
ぬれて光り ぬれて呼吸し ぬれて色づき
ぬれて香り ぬれて育ち ぬれて生きる
雨の草たちのいのちと言葉を感じるまで
飽かずに見ていたい
***
真の人の詩は 自然のささやきと同じ
なんの音?
風の音
水の音
木の音
人の詩
木の実は鳥の声を聞くごとに熟していく
わたしの実は真の人の詩を聞くごとに熟していく
雨はわたしの実である「言葉」をみがき洗ってくれる