猫の国
カマキリ

夢みる機械が煙を吐いた
明日はどうしよう

時計よりも早い回転でしっぽを生やす電信柱
ダムの真ん中に大きな城を建てて
訳あり顔で頷くロバを
線路の海に連れて行く小柄なロックンロールジプシー

カバンに忍ばせていた薄い青色のグラスに水を張って
どこまでが正義か分からん星を落としていった
音叉の響きに舵をとって
昨日、宿を取った街が白く燃えていくのを知った

ハイウェイで捕まえた暗闇の虫と
氷の鏡をどこかにやった

万華鏡が溶けていく速度で深い霧の中へかえしていく
足元でくしゃくしゃになったチラシを
ちょっととなりの世界まで、信じられなくなったポストまで届けに行く

夢みる機械が羽化してしまった
明日はどうしよう


自由詩 猫の国 Copyright カマキリ 2012-08-09 23:01:01
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