気のせい
灰泥軽茶

風鈴が鳴る

気のせい

エアコンで冷やされた身体は

動かすたびに耳のうしろあたりで

ごおりごおりと

暗闇で白クマがふりかえったような

私も同時に身体をうしろにねじると

みぞおちあたりから

からんころんと

製氷皿に白クマを流し込んで

塊にしたような

太ったこおりが

二個三個床に落ちた

気のせい

風鈴が鳴る




自由詩 気のせい Copyright 灰泥軽茶 2012-08-09 03:31:54
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