在るのか
もっぷ

永遠を悟らないということが
幸いだとでも言うように
その、部屋が蒼ざめてゆくのを

どうすることもできないでいた

個のいのちの永劫が無いことは
蔦の絡まる由緒ある図書蔵ではなくとも
気取らない小鳥ならいつでも
丁寧に歌ってくれる

かと言って果たして無となるのか
それすら悟ることのできない
かなしみを描かれることを待つ

白いページが微笑んでいる
その前に腰掛けてせめて
まどろんでみたいものだ

(代償を求められる休息

束の間がどのくらいなのか
生涯がどのくらいなのか
遺された存在が風に聴く
ひとひらの渦中で

蒼ざめてゆく部屋のあるじは
誰にも知られずにいま、泣いているのだ
それ、も

在るのか

神はいつでも無表情に
天という場所から息吹きたちの営みを
答えを隠して見下ろしている


自由詩 在るのか Copyright もっぷ 2012-08-08 05:20:55
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