在るのか
もっぷ
永遠を悟らないということが
幸いだとでも言うように
その、部屋が蒼ざめてゆくのを
どうすることもできないでいた
個のいのちの永劫が無いことは
蔦の絡まる由緒ある図書蔵ではなくとも
気取らない小鳥ならいつでも
丁寧に歌ってくれる
かと言って果たして無となるのか
それすら悟ることのできない
かなしみを描かれることを待つ
白いページが微笑んでいる
その前に腰掛けてせめて
まどろんでみたいものだ
(代償を求められる休息
束の間がどのくらいなのか
生涯がどのくらいなのか
遺された存在が風に聴く
ひとひらの渦中で
蒼ざめてゆく部屋のあるじは
誰にも知られずにいま、泣いているのだ
それ、も
在るのか
神はいつでも無表情に
天という場所から息吹きたちの営みを
答えを隠して見下ろしている