ロック・アラウンド・ザ・バンカー
ホロウ・シカエルボク
ロックしても
ノックしても
おまえのこころはどうにもならない
おまえはまるで壊れたアラーム
そのときがきたって起動することなんかないのさ
裏通りじゃドラッグの運び屋をやってるティーン・エイジャーと
警官隊との間でちょっとした銃撃戦が始まってる、ヘイ、窓を開けてみなよ
おれがおまえにそう声をかけたちょうどそのとき
訓練通りに狙いをつけて一人の警官が
運び屋のボスらしきやつの頭を撃ち抜いた
おー、派手な血しぶき、アンダーグラウンドで打ち上げられた
でっかいでっかいファイヤフラワー、途端に
まとまりを無くす運び屋たち、警官隊が一斉に飛びかかって一網打尽
ヘイ、すごい見世物だったぜ
おまえは「そう」とひとこと言っただけ
おれはバスルームでアスピリンを飲み、それから顔を洗って歯を磨いた
部屋に戻るとおまえは、目を開けたまま寝ている、ぶつぶつと寝言をつぶやきながら
おれは「降参」のポーズで寝室、十字を切ってベッドに寝転ぶ、神様なんか信じてるわけじゃないけど
神様なんか信じてるわけじゃないけど
ロックしても
ノックしても
おまえのこころはどうにもならない、ドランカーみたいにうつろな目をして
ときどき昔読んだ
古い詩集のフレーズをたどたどしく口にする、なあ
その詩なんて言うんだ、おれがそう聞いても
クッションを抱いてニヤニヤしているだけなんだ