海面上昇 10
rabbitfighter
1
僕たちは毎日穴を掘る
いつか
自分自身を
埋葬するための
君のその穴は
十分な深さか
君自身を
埋葬するために
その穴を埋めるのは
我々の仕事だ
君を
埋葬するのは
その穴を埋めるのは
我々の仕事だ
君を
埋葬するのは
2
眠りは
浅く
呼吸は
深く
鼓動は
早く
埋め尽くされた静けさの耐え難い叫び
3
地球の大きさを測るために
君には太陽が必要だった
その過程で君は
地球と太陽の距離を知る
4
叫び声が
風に運ばれて
遠いところで
静かにささやく
元の意味を失って
ただ美しさだけが残る
光のように
声は
質量を持たない
5、6
7
君のその穴は
十分な深さか
君自身を
埋葬するために
8
いつか
海が全ての平野を覆い
波が丘を
削り取ればいい
僕たちが穴を
掘らなくてもいいように
9
宇宙に浮かぶ
小さな水の球は
どんなに明るく
日の光を照り返すだろう
10
そうして鳥よ
その海の上を
絶え間なくまわれ
高く
速く
絶え間なく
まわれ