夏休みの「なつやすみ」
草野大悟

夏休みが、
明日から休むから
よろしくね!
そういい残して風に乗り
青空の彼方へと飛んでいった

よろしくね!
と言われても
わたくし、天道虫としては
なにをどうすればいいのか
そもそも、わたくしごときが
この一大行事を仕切っていいものなのか
大いに悩む

ともだちの向日葵に相談したら
 なんとかなるわよ
との無責任な返事
 なんとかしてよ!
猛然と、わたくし抗議したんだ
 だからぁ、なんとかなるって
との無責任極まりない返事が、また返ってきただけ

いいわよ!もう
あんたなんかに相談したのが間違いだったわ!
あんた、昔っから、いいかげんだったよね
太陽ひとすじ、なんていいながら
ちゃっかり月ともいちゃついて
こどもまで堕ろして

ねぇ、どこまで乗せたの?
風に訊ねてみた
風は黙ってとおりすぎた
ねぇ、どこにいるの?
雲に訊ねてみた
雲は黙って流れていった

夏休みが
なつやすみ
をとった今年の夏は
わたくしには
とても、重い


自由詩 夏休みの「なつやすみ」 Copyright 草野大悟 2012-08-05 21:03:17
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