一つ忘れることは / 新生する自我
beebee





一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられていく

毎日新しい事を覚える一方で
色々なことを忘れていく
苦しいこと楽しいことを忘れていく
それは自由になるということ?
それは時間を延ばしているの?
それは時間を削っているの?

記憶という画用紙には大きさがあって
書きこんでいくと終わりがくる
書き込み続けると上から消されていく
はみ出していく記憶達
消えて行く記憶達
行が終わった記憶は一瞬光をまとい
そのまま消えていく

僕たちは不思議絵の階段のように
現在を登って来たのか?
それとも過去へ下っているのか?
手を伸ばして見上げると
階上から君が手を伸ばしている
一瞬届くように思えたが
お互いがいくら伸ばしても届かない

見上げるぼく(きみ)と
見下ろす君(ぼく)の
立場が入れ替わって
ぼくは無限空間に
閉じ込められたことを知るのか?

ぼくは毎日色々なことを忘れ
ぼくは毎日色々なことを知る

でもそれは質量保存の法則のように
色々掛け合わされ除され
もしくは加えられ減じられ
色彩され脱色され
拡散され凝縮し
昇華され結晶し
ころんと

コロンと
転がり落ちる

光 / 闇

雫 / 自分

こんにちは
新しい自分

 


自由詩 一つ忘れることは / 新生する自我 Copyright beebee 2012-08-05 19:51:56縦
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