経て 辿り着かずに ここから
黒ヱ


ぼうっと 暑かった

体温を測ったら 丁度 37度5分だった

暑く感じる体とは 裏腹に

心は 凍てついて 寒かった


「そんな 純真無垢なことを 言ってみよう」 


出て来ては すぐに 蜻蛉帰り

その後ろ姿 抱き締められないの

手を伸ばして 肩に手を掛けてみる

そこから そのまま それまで

ずっと 眠り続けるの それは 狸なの?

今 そおっと 後ろから このまま

抱き締めてみたら

あなた 驚いて 目が覚めるかしら


「もう少しだけ そのまま・・・」


ふわりとした 止め処ない時間

ゆっくりと でも確実に 

そこへと向かっている


「経て 辿り着かずに ここから・・・」


全てのものに 目を向けて

ちゃんと ありがとう と言いながら

ゆっくり 歩いて 行こう


自由詩 経て 辿り着かずに ここから Copyright 黒ヱ 2012-08-05 08:38:07
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