都会図鑑6
たもつ



都会について語ると
都会は沈黙する、
唇はいつも僕にあるから

生き物たちが寝静まった深夜
列車に乗って
都会という名の駅で降りる
駅前では高層ビルが
ひんやりと脱皮をしている

夜が明ければ都会はきっと
新しい希望に
満ちているはずだ
僕は都会図鑑を閉じる



自由詩 都会図鑑6 Copyright たもつ 2012-08-04 19:32:39
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