「日はまたつづられる」
ベンジャミン

そしてこうしている間にも
つづられる一日のわずかを呼吸して

たとえば
「なのでした」という過去や
「なのです」といういまや
「なのでしょう」という未来に
静かに耳を傾けて

どうしようもない悲しみや
やりきれない辛さや
かかえきれない喜びや
あふれそうな嬉しさを

それが世界の一部であることが
まるで特別なことであるかのように
(たしかに、それは特別なことで)
まるで自分が広がっていくような心地で
(たしかに、それが自分を広げます)

ひとりでいてもひとりでないような
めくられる日々の小さなささやきに
何か返事を書くことも出来ないまま

そしてこうしている間にも

読みきれないほどの今日がつづられて
書き終わることのない今日をつづって

そうして開かれたままのノートが
閉ざされることもなくわたしのそばで

ただただつづられるのを待っています
 


自由詩 「日はまたつづられる」 Copyright ベンジャミン 2012-08-01 23:06:50
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