花嫁
灘 修二
どんな窓にこんな猫がいるのだろう
忘れもしない通った白い家の窓辺で
まどろむ幸せが充ち満ちて
目を覚まさないようにと
やさしく襟元に、毛布を寄せてくれる手は
だれのものなのだろう
いつ花が咲くのだろう
咲いた椿が別れを告げず落ちるように
無限はもう無限でなく
もうすぐそこに来て春を告げている
どこへ連れられて行くのだろう
石畳の上を行く馬車の隣に座り
むち打つ手を休めて、蹄の音を聞いている
やさしさを分けあったケーキを切るには惜しく
甘い紅茶の香りが通り過ぎる街角は
どんな祭りを迎えるのだろう