nonya


メジルシが多過ぎる街を
さまよい続ける男は
メヂカラが強過ぎる小悪魔に
あっさり魅入られて
メクバリし過ぎた日々を
少しずつ取り崩しながら
メベリし過ぎたときめきを
愚かにも取り戻そうとしていた

捕獲を逃れたメクジラで
渋滞するメヌキドオリを避けて
メボシも瞬かない裏道を
メサキの劣情に吸引されるように
視力だけが自慢の男は
嗅覚だけが頼りの小悪魔の
尻尾の矢印を握り締めて
奈落の上空を綱渡りしていた

2.0の遠視ぎみの
メに映るのは季節はずれの蜃気楼
口ほどに物を言わない
メが語るのは身の程知らずの御伽噺

メザマシ時計を片っ端から止めるように
理性の朝を拒み続けた男のメジリは
すでに垂れ下がり切っていて
小悪魔のメウツリを捉えることができない

小悪魔の羽ばたきが合図だった

男は
踏み外した
踏み外してしまった

いや
踏み外したかったのかもしれない

でも
落ち切れなかった

小指一本で
踏みとどまった

ミタメはマジメで
ヒイキメに見ればヒカエメなのだが
ヨワリメの上にタタリメで
とことんダメな男のメが
またあてどなく泳ぎ出した

仕方がないのかもしれない
男のメは節穴どころか
奈落なのだから




自由詩Copyright nonya 2012-07-28 10:20:51
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