光の壺
まーつん

私たちの身体を、何に喩えようか

それは、壺のようなものだ

そして私たちの心は、そこに収められた光
神は陶工となって、今日も壺つくりに精を出す
午後の陽射しが差し込む、埃っぽい作業場の一角で

土を練り
火にかけて
薪をくべ
風にさらして

陶工は壁棚に我々を並べる
ひとつひとつ、丁寧に

そして、かさかさに荒れた職人の指先で 
星の海から掬い上げてきた光の砂を
一つまみずつ入れていく

それはやがて、愛や憎しみとなって、
輝きを増していく

それが、我々の心

ほの暗い漆喰の壁に、ぼんやりと照り映える、黄金色の光
古いエプロンの胸元で、神は手の汗をぬぐう
人の肉体は陶土で、その心は光

運命という名の船に積み込まれ、
時の河を運ばれていく


光の壺







自由詩 光の壺 Copyright まーつん 2012-07-27 00:28:54
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