歌祭りのうた
木の若芽

歌祭りのうた
              木の若芽


朝風に揺れながら目覚めてゆく


そちこちに大きな蜘蛛の城ができあがった
破れそうな飛んでいきそうな薄い紗に
澄んだ水滴の玉飾り
こわしたりしないからきれいな蝶はとらないで


ヤマバトとフクロウが
二人の男に変わり
わたしをやさしく案内する(子どもたちの走り回る小道を)
木の宿へ


新しいお酒の割り方を見つけ
ゆっくりとその味わいを楽しむ
入道雲を見ながら


日々起こることに出会うべく生きている


人の花より自然の花にある何か


旅に出るのに気がかりなのはただ残してゆく庭の草木花


渾沌の森と海を泳ぎ歌の祭りに行くのにも
渾沌の森と海を優雅に泳いでいくのだ


にぎやかな歌もたくさんあるけど
わたしは片隅の白い花を歌う
山の花たちは小さく咲く
ひそやかに咲く
白は白に 青は青に
これからも
このまま歌おう そのまま歌おう

ほうほう ぽうぽう
くうくう くるくる


自由詩 歌祭りのうた Copyright 木の若芽 2012-07-25 09:44:37
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