ブランケット
umineko

お昼寝の時間
うまく
流れに乗れなくて

眠ったふりで
じっとしていた

人影がくる
園長先生
ことば
かわすわけでなく

寝顔を眺めて
うなずいている
そうして

ブランケットを
かけていくのだ
子供たちは気づかずに

静かな寝息は
午後に広がる

* *

杜の都
何年ぶりかに逢う君は
前より
ずっと健康そうで

地震のあとさ
ブロック塀が
全部ぜんぶだめでさ
もう
めんどくさくてとっぱらったよ
そしたら
どの家もどの家も

なんか
こう
境界線がなくなって

すこし
やさしくなれるんだ

* *

誰かの役に立ちたいとか
そんなんじゃないんだよ

あの
おつかいしましょうか、とか
庭木運ぶの
手を貸しますよ、とか

そんなふうな
毎日が
なんだか


* *

ブランケット

僕らは
きっと大丈夫

世界を
抜き足差し足で

やさしくなれる
そうして
 
 
 
 
 



自由詩 ブランケット Copyright umineko 2012-07-24 08:13:49
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