ブランケット
umineko
お昼寝の時間
うまく
流れに乗れなくて
眠ったふりで
じっとしていた
人影がくる
園長先生
ことば
かわすわけでなく
寝顔を眺めて
うなずいている
そうして
ブランケットを
かけていくのだ
子供たちは気づかずに
静かな寝息は
午後に広がる
* *
杜の都
何年ぶりかに逢う君は
前より
ずっと健康そうで
地震のあとさ
ブロック塀が
全部ぜんぶだめでさ
もう
めんどくさくてとっぱらったよ
そしたら
どの家もどの家も
なんか
こう
境界線がなくなって
すこし
やさしくなれるんだ
* *
誰かの役に立ちたいとか
そんなんじゃないんだよ
あの
おつかいしましょうか、とか
庭木運ぶの
手を貸しますよ、とか
そんなふうな
毎日が
なんだか
* *
ブランケット
僕らは
きっと大丈夫
世界を
抜き足差し足で
やさしくなれる
そうして