少女はあしあとをのこさなかった、水はけのわるい雨にゆるんだ 校庭をあるくときも、また、うすく雪のつもった歩道のうえをあ るくときにも、わたしは彼女に聞いてみたことがある、それって どうやっているの? 靴に仕掛けがあるの? わたしにもできない かな? ねぇ、おしえて ? って、すると彼女は雪がとけていく みたいに、じゅわっと校庭の土にしみこんでしまって、当然だけ ど、もう元にはもどらなかった、わたしはとてもわるいことをし たのだとおもった、