静かな雨に討たれて
kauzak

もう終わりだ
と思ったのは雨に
濡れた瞬間だった

世界がゆがんだ気がした
水気を含んだ髪を
乾かしながら

僕は
思う

何処にも逃げ場所はない


静かに雨が降っている
音もしないくらいに
だから濡れたこと
すら分からなくて

玄関で靴を脱ぎながら
床に水滴が落ちるのを
目の当たりにして

ようやく気付いたのだ


自由詩 静かな雨に討たれて Copyright kauzak 2012-07-23 01:01:54
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