白昼夢
ブルーベリー
距離感を見失う
くらいに弱い
誰かの
触れるとふやけていくよう
結局何もつかめず
それで
目の前の
いくつを
失くしたのだろう
それで
目の前の
いくつを
壊したのだろう と
被った皮膚の下から出るのは 出たのは
赤い肉ではなかった
鋼の鱗が
ざわめくよう
ひっかくのは
誰だったろう
本当は
夢で終わったろう
本当の
肥大した荷物を捨てる
歴史がいくら積み重なっても
教科書には
限りがあるように
その序でに
さあ哂えと
止まらない
鞄を引き裂いて
臓腑を引きずり出したのは
誰だったろう
本当は
こんなふうに
命を撒き散らす方法以外の
何かを
求めていて
壊せずにいた
この腕は、 (役に立たない)
夏の熱を吸った
タイルの繋ぎ目を
爪先がもどかしく
引っ掻くだけ
だけれど