線分上のアリア
梅昆布茶

ゆるやかな稜線は日々の通奏低音と
重なって光や風の渡る今日を彩ってゆく

痛くなかったかい
首もげちゃったけど
どこまで転がってゆくんだろう

僕の通底器は結びつけることに疲れてしまって
ひだまりをじっと見つめているんだ

右手の重さを左手で量って
記録につける遊びを繰り返していた
悲しすぎる午後

虫の羽音で醒まされた夢を永遠と呼ぶのなら
無限の線分上の収束する点Pで
僕が待っていることをどうやって君につたえよう

無数の光芒を放つ小宇宙のひろがりを
分節化してゆく星座の魔法で
ひとつひとつキャンバスを塗り替えてゆくんだ

僕の胴体はさびしさのあまり
角を曲がってけつまづいてひざ小僧をすりむいているし

そう母がいっていたことば
おしっこがでるうちは生きているんだって
もう家族割りはいらないし
それがさいごの言葉だったっけ






自由詩 線分上のアリア Copyright 梅昆布茶 2012-07-17 05:37:38
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