サンゼンハッピャクナナジュウニボット3872(スリーサウザンドエイトハンドレッドセブンティーツー) 
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 大学1年で上京して寮に入ったとき、みんなが裸踊りをしていたので、部屋でGBAをしていた。ソフトは、スパロボAだった。その中にザンボット3が出てきたので、そのメロディーを覚えた。メロディーは覚えたが、歌詞が分からなかったので、自分で歌詞を付けて歌っていた。大学まで自転車で通う途中にその歌詞を考えた。

 そのうち、歌詞の一片がわかった。「みっつのメカがひとつになって」というフレーズが入るという。一体そのフレーズが、メロディーのどこに入るのかわからず、とりあえず、メインメロディーの一番最初に当てはめていた。夏になって、書店のサブカルチャーコーナーで、『20年目のザンボット3』という本を見つけた。その中に歌詞が書かれていたので、立ち読みして暗記した。これ以降、正しい歌詞で歌うようになる。

 だが、その頃からいつも頭の中で、数字を組み替えることをしていた。みっつのメカがひとつになってザンボット3(スリー)になるのなら、よっつのメカがひとつになれば、ヨンボット4(フォー)になる。また、いつつのメカがひとつになれば、ゴボット5(ファイブ)になる。やっつのメカがひとつになればハチボット、またはバチボット8(エイト)になる。

 このように数字を操作することを覚え、ときにサンゼンハッピャクナナジュウニボット3872(スリーサウザンドエイトハンドレッドセブンティーツー)という数を考える事すらあった。しかし、これは3から3872までをひとつひとつ数えた結果ではなく、まったく無作為に選ばれた数字を当てはめたのみである。

 また、数字を操作する際は、コーラスの歌詞も変えなければならない。ザンボットなら、コーラスはザザンザーザザンだが、ヨンボットならヨヨンヨーンヨヨンにならねばならぬ。また、ゴボットならゴゴッゴーゴゴとなる。

 だが、サンゼンハッピャクナナジュウニボットならば歌詞はどうすべきなのか。ここで下手にコーラスを変えるよるも、原型であるザザンザーザザンを生かすべきと考える。だから、容易にコーラスの歌詞に調和しない数字であれば、原型のザザンザーザザンを使うべきだ。また、3872の場合は、さんぜんはっぴゃくななじゅうにのメカがひとつになって、という歌詞になる。

 大学ではこのようなことを考えていた。


自由詩 サンゼンハッピャクナナジュウニボット3872(スリーサウザンドエイトハンドレッドセブンティーツー)  Copyright 6 2012-07-14 00:12:30
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