HAL

ここは地の果てか
ここは海の果てか
いいや宙の果てだ

でもそれならなぜ
ぼくは息ができる
真空のなかで存在できる

なぜこんなにも星々近いのか
踏みしめようとしても大地の感触がない
理由が分かったよ

ぼくはテラとも呼ばれる星の
小さな島国で敵に撃たれて死んだん訣だ
それなら得心できる

ぼくはいま霊とも呼ばれるものになって
宇宙を漂っていると云うことか
生まれ返らせてやろうかだって

悪い冗談はやめてほしいな
もう一度人間として生きるのはご免だ
ここなら何も煩わしいこともない

肉体のなくなることがこんなにも
心地良いものだとは想わなかったよ

どうだい悩みだらけで
どうだいストレスだらけで
生きることに疲れ果ててるきみ

生きることに意味なんてないんだから
ぼくと同じにならないか
頷いてくれたらぼくのようにしてあげる

きみを霊にしてあげる
それは零になることだ
きみがずっと望んでいた
無になることだけれどどうだろうか


自由詩Copyright HAL 2012-07-11 22:37:28
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