希望の詩
ただのみきや
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす
メモリーチップの中で跳ねる
アロワナのような言の刃が
こんな灰と雨の中から
燃えかすの心臓を拾い上げる
彦星が刺殺され乙姫が凌辱された朝に
事実は伝説よりも鬼なり
浮島のように流されて行くこの国から
一人漕ぎ出す
未開の潮流に乗って
暗黒を割り時と交差する
それでも生きると言わんばかりに
鮮血を滴らせながら