父さん
もっぷ

再びの夜明けを
ひまわりは信じている
どこの哲学者の蔵にも
視ることのできない
廻りの神秘をも悟っている

発った桜花が
その根元で人間たちに
享楽されたことをまったく
嘆いていなかったことのように
神の前で自然に

ひまわりもさくらも
父さんのように生きている

父さんは、
ひまわりであり
さくらであり
四季折折の名のない可憐であり

いつかわたしが追うことを知りながら
やわらかく安堵している
いまのわたしには夜明けがあるから
そして巡ってくるその時、をも

すべてを受け入れて

ひまわりは自らのおしまいを
つつましく痛みながら
いつかの夜明けには自分がいないことへ
承諾の判を躊躇わない

桜花がそうであったように

父さん、
わたしにはあしたがあります
その恵みをなによりも愛しんで
生きてゆきますね

めぐってくるまでの日日を


自由詩 父さん Copyright もっぷ 2012-07-08 09:44:06
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