祈りは仄かに発光する
うめぜき


この手

結んでひらいたら
あなたらしき人が立ち上がる

駆け抜ける
そのたった
ひととき

どこかがあたたかい

結んでひらく
なぞるように

もういない
あなたらしき人は
言葉の痕を追って

いなくなる

どこかがひえていく

駆け抜ける
ひととき
結んでひらいて
ひらいて
言葉が
溢れて
溢れ続けて
どこまでもどこまでも
ぼろぼろぼろぼろ、ぼろ、と、

どこかが満たされない

言葉の痕が
仄かに
発光する
さみしげに
どこかがひえて
どこかがあたたかく
どこかが満たされず
駆け抜けて
結んで
ひらいて

あなたらしき人は
わたしを
じっと


見つめている




この手は
どこかを探して
いたたまれなく
繋がれるのだろう

言葉をこぼせば
あなたらしき人を突き抜けて
まるで
祈りが生まれる
そのひとときの
ようだ














自由詩 祈りは仄かに発光する Copyright うめぜき 2012-07-07 00:09:46
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