その日を眠るために
もっぷ
ちょうどよいのが
ティファニーの偽物だった
だから彼女は
それを大切に身に着けていた
彼女は泣かない
代わりにティファニーの偽物が
泣いてくれるから
だから彼女は泣いたことがない
ちょうどよいのが
シュタイフの本物だった
少しだけ背伸びをすれば手に入る
唯一の家族として
いつでも一緒にそのテディと歩いた
ちょうどよいのが
みつからない時
彼女は空に
たずねてみるのだ
あおいでみると不思議なことに
ちょうどよいのが
要らなくなるから
ちょうどよいのが
要らなくなれば
彼女はやっと
眠りにつける
身の程知って眠りにつけば
彼女は彼女の身の上に
とりあえずは
納得できる