夢の中
中川達矢

夜は昼になっていく
居酒屋は5時まで看板を輝かし
サラリーマンは帰り道を忘れる

忘れる
(いや、覚えてなかった。眠っていたから。朝になって
 パソコン開いたら「やばい」「大きかった」とか
 つぶやいている人々がいたけど、別に。
 だから、あなたの言うことがわからない)

クラス対抗サッカー大会が
校庭で行われていて
私は教室の中、勉強している

勉強している
(でも、サッカーは得意だった。
 体育の授業でサッカーやる時は、
 クラスで4人のキャプテンの中の
 1人だった。ひとりだった)

多分、落し物をした
それが何であったか
思い出せないからいいだろう

いいだろう
(夢中であれば気がつかなかった。
 けど、気がついたから夢中になった。
 夢中だから、あなたの言うことがわからない)


自由詩 夢の中 Copyright 中川達矢 2012-07-06 21:48:12
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