ウルトラマリンの夕暮れに
番田
波紋の中には何がある
そう思っていると
消えてしまった 波紋を 見ていた
時が生み出すものとはなんだろう
部屋からほど近いスーパーで新しい食べ物を探せば 夕暮れだった
トンカツ定食が遠くの水面に揺れている風景が 旅立ちの瞬間のように 流れた
そして 繰り返される 毎日の中で
そうではないはずの自分の幻を見なくなった
歳を喰うほどに 与えられるがままの生活だ
生きることさえも 心の中から 忘れていく
自由詩
ウルトラマリンの夕暮れに
Copyright
番田
2012-07-06 02:15:08
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