鈍器
ドクダミ五十号

豆腐の角

これで死ねるか

可能性はある

お前の冷たい息で

岩の様に固く


一撃必殺の

トルクフルな

円弧を描いて

直撃ならば


血潮に染まった

凶器は

狂気の沸騰で

ポン酢と削り節

薬味は葱が良かろう


日常にfestivalをお求めの

貴君に用意された宴だ

祭りの後の締めくくりだ

存分に楽しめば良い

贄はあるのだから


生臭い朝は清々しいと

伸びをして

始まる非日常を恨み

さっさと日常に戻るべく

意味の無い書類に

価値の無い数字を


昨夜撃ち殺された男の

名前は三面を飾りはしない

忘却の闇でぼんやりと蹲るだけだ


自由詩 鈍器 Copyright ドクダミ五十号 2012-06-30 01:19:21
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