風のサイレン(九)
信天翁

ほころび逝く身の上からは
  神経と細胞のだましあいで
       気力が消えている  
  肋骨と腹膜の差し違いで
       弾力が失せている

その上想像力も・・・欠けて
(花はどのように咲き誇るのか)
(木々はどのように伸び茂るのか)

ただ カルマがもたらす幻影の仮面と
リグレットの積乱雲ばかりが押し寄せる
滅びゆくものの身のうえには

  

               


自由詩 風のサイレン(九) Copyright 信天翁 2012-06-24 21:05:19
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