雨にあるこう
beebee





突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行く

街中に小さな池があって
梅雨の歌を歌っていた
リズムが跳ね
雫が跳ね
小さな小いさな波紋が広がっていく
僕が蹴飛ばした小石が全てをぶち壊した

雨つぶが抗議して頬をかすめたよ
怪獣に水鉄砲なんてきかないぞって
口ずさんだら笑っちゃった
雨でも楽しい散歩道
読みかけの新聞を掲げ歩き出す
僕は梅雨に噛み付く怪獣さ

 


自由詩 雨にあるこう Copyright beebee 2012-06-24 18:38:18
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