サボテン(改作)
永乃ゆち
あなたはまるで
サボテンに触れたように
優しくわたしを傷付けました
作った笑顔は見飽きたし
優しい嘘は聞き飽きました
あなたわたしを殴ってください
そしたらあなたを嫌いになれる
あなたわたしを嫌ってください
そしたらあなたを恨んで憎む
あなたわたしを忘れてください
そしたらわたし自由になれる
気の利いた冗談は言い飽きたし
叶わない夢は見飽きました
あなたわたしを愛してください
それはひと時の希望に終わり
あなたわたしを抱いてください
それは絶望の淵の純粋で
あなたわたしを見つめてください
それはその他大勢の中にある悲鳴
あなたはまるで
熱いスープのように
わたしの舌を火傷させました
誰かが見ても
外からでは分からないのです
その弱さも狡さも
心から
好きでした
あなたはまるで
サボテンのように
見つめる事しか
かなわない人