竿を片手に思いを巡らす
番田
この会社を辞めたら楽になれるのだろう
いつも 僕は 何でもないことを思っていた
誰のためでもなく きっと 僕は
目には見えない魚を釣りに出かけるのかもしれない だけど
何にも釣れないまま帰ってくる時の思いに似ている
それは とても 虚しい
人の言葉を理解できないときに似た寒気がする
暴力でもって意識を伝えられはしないだろうかと
新規開拓営業マンの頃のような とても寂しい思いにさせられる
それは だけど 嘘であっても良いことなのだが
真っ直ぐに家に帰ろうと思う
僕は 何も 意識を 持たないまま