ひとつの魂でゆける距離には、限りがあり、人が泣きたくなるときには、 そこにたどりつけないことを既に知らされている、夏の舌を通過する中 央線、転がる発泡酒の空き缶、そのなかには、いくつもの小さな死体が 詰込まれている、まるでキャンディーの包み紙のような、薄いアルミ箔 につつまれて、深夜になると花を活けた、ほんのすこしだけ水分を必要 としている、詩の身体を海に近づけるために、