そこでまってて くれますか
佐藤伊織


***1

どこかで落ちている石ころを拾っている。わたしにはもう無限しかなくなっている。数が数えられないのだ。数えても意味がなくなってしまった。

***2

幻の中で私は会話する。でも、その人はいつも顔がぼやけてみえない。誰であるか、けっしてわからない。

***3

30年間夢を見ていた。

***4

小さな箱に入っていく。それは入り口も出口もない小さな箱で、その外側はどこにもつながっていない。

***5

手をひらくこういに、わたしはだまされてきたように思う。意味ありげにひらいてみせる手に、わたしはみせられていた。

***6

もどれるなら わたしはみらいにもどりたい


自由詩 そこでまってて くれますか Copyright 佐藤伊織 2012-06-23 18:24:00
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さみしさの詩集