降夜小震
木立 悟





星の葉に 水が降る 
誰も招ばぬ
誰も呼ばぬ


夜を醒ます雨
背に生やし
遠去かる冬


無と無のはざま
小さく問うもの
窓の外は絵
いつか 消える


水面の 空と水底
氷河と手紙
指先の負


肉に触れ
天使を変え
何も無い中心に
立ちつくす銀河


冷ややかな
色という色
追わぬものを追う波と
昼まとう廃屋


空のけもの
地のけもの
点いては消える
郊外の灯


影は尽きて
夜は斜め
手のひらばかり
手のひらに降る 























自由詩 降夜小震 Copyright 木立 悟 2012-06-23 13:06:59
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