水脈
梅昆布茶
ぼくときみは違う水路をたどって岩に孵化する山椒魚さ
無限のかがみの列から零れ落ちたひとひらのきみの笑顔
体温をかんじながらぼくらは越境する夜よ冷えろ
この曲をききながら羊水のなかに浮かんでいた夏
発信音とだえてもどる静寂のなかできみのうたごえ
夕餉の食卓ぼくたちに逢いに来た知り合いの腸詰めのあいさつ
さようならはいわないでぼくたちは最初から遇っていなかったんだもの
だいじょうぶきみは玉入れで一番だったからってなぐさめる秋日和
存在の違和をなでさすりながらいっちょうまえのふりをする異和
なにかがつながってなにかがはなれてゆくそれって無常?
離心率>1 ぼくらのコバルトブルーの双曲線はかなしみに突き刺さる
地下に水脈があって僕らの血はたぶんそこにつながっているんだ
空から降りてぼくのこころのFおさえてまたかえってゆく優しさひとつ
(返歌の返歌です。ありがとうございます。)