パンダ動物園
まきしむ
左にある物体を右にする動作を繰り返していました
それくらい自分はパンダみたいな生物でしたね
雲が右から左へ流れ
私を通過する際のみ雨をしたたらせました
二葉が滴を反射しとてもきれいでした
はなから失敗する気で何度も飛びおりました
窓からオフィス内を眺めていました
人々の営みを眺めていました
OLは巨乳でした
リーマンは凡庸でした
私もあんな風に髪を短く刈れば
憎しみを増幅させシャボン玉のようにし
それにいつしか包まれ
空気孔をつけるのも忘れていました
私は未成熟な個体として居残され続けました
今はもう手遅れです
そう思いませんか?フラフープしますか
粘土細工しますか。砂のお城作りますか。
エンジョイしたいですか?僕はしたいです
君は、もう別の個体になってしまった、
僕は、今ドリンクを飲み干した、レッドブル
レッドブル・・・・
えいえんに花は咲きますか?わたしの鼻水は
枯れますか、君の涙は本物ですか?痛いのは
偽物ですか、くるぶしはこぶしとつながり耳となり
鼻となり、わたしはもうなにをいっているか既にわからない
それでもキーを打つ手はやめない、伝えることは
無尽蔵にあふれ出てくる、誰にも受け止められず
流れていく、無かったことになってしまう
ペンギンが二匹、意味もなくよちよちと歩いている
噴水のぐるりには彼らと僕、それと小さな日よけがさをかぶった
女の子だけがいる、ここは何処かの豪邸の庭らしいんだ
太陽は眩しかった、そちらに目線をやると気泡のような
思い出のような丸いわっかがたくさん見えた
敷き詰められたコンクリートを出ると芝生が続き、
遠くでは針葉樹林がおもちゃみたいに突き出ていた
僕はこんなところに一生閉じ込められたまま、もう二度とでていけないのだろうか?
そんなことは誰ひとりとして興味などなく、私はパンダとして生きていくしかないのだろうか?
今はもう、公園が、ただ一つの
陣地 です